はつ花皮ふ科

鎌倉市の皮膚科、はつ花皮ふ科クリニック。大船駅より徒歩6分。
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コラム : ●さまざまな種類がある「乾癬」

Column

●さまざまな種類がある「乾癬」

こんにちは。
鎌倉市、東海道本線「大船駅」東口より徒歩6分のはつ花皮ふ科クリニックです。

「乾癬」という病気は、症状の現れ方によって5種類に分類されています。
今回は5種類の乾癬について、それぞれを簡単にご説明したいと思います。

 

乾癬の分類で一番多くみられる「尋常性乾癬」

乾癬患者さんの全体のおよそ70~80%をこの尋常性乾癬が占めています
主な症状は皮膚が赤く盛り上がる「紅斑」、皮膚が盛り上がる「浸潤・肥厚」、銀白色の細かいかさぶたのような「鱗屑」です。これらの症状は頭皮や髪の生え際、ひじ、ひざ、お尻、太もも、すねなど外部から刺激を受けやすい部位によく現れます。
かゆみを伴うこともありますが、症状が広がらないよう患部や患部以外の皮膚を掻いたりしないようにすることが大切です。また皮膚の乾燥にも注意しましょう。

 

関節の腫れを伴う「乾癬性関節炎」

関節症乾癬と呼ばれることもあります。
感染患者さんの約15%の方に、手・足の指の関節の腫れ、足裏の腱やアキレス腱の炎症によるひざ・股関節・肩・ひじの痛みや腫れ、骨盤にある関節や脊椎の炎症による背中・首・腰の痛みやこわばりといった合併症がみられます。症状は一見、関節リウマチに似ていますが異なる病気です。
乾癬性関節炎は、関節症状が出る前、または同時に乾癬の皮膚症状が現れることがほとんどです。しかし、患者さん自身が皮膚症状と関節症状の関連性に気づけずに、見逃してしまうことがあります。少しでも気になる症状がある場合はすぐに医師に相談しましょう。

 

風邪などが原因で発症する「滴状乾癬」

小児や若い人に多くみられることが特徴です。直径0.5~2cm程度の水滴のような小さな発疹が急に全身に現れます
風邪などの感染症がきっかけで発症することがあり、特に溶連菌感染(咽頭炎、扁桃腺炎)が誘因となることが多いといわれています。発症のきっかけとなった感染症を治療すれば、発疹の症状は治ることが多いのですが、まれに何度も再発を繰り返し、慢性の尋常性乾癬に移行してしまう場合もあります。

 

発熱や倦怠感などを伴う「乾癬性紅皮症」

尋常性乾癬が全身に広がり、全身の90%以上の皮膚が赤くなった状態を乾癬性紅皮症と呼んでいます。尋常性乾癬の諸症状に加え、発熱・悪寒・倦怠感のほか、脱水や浮腫、心電図の異常が見られることもあります。
初めから乾癬性紅皮症を発症する患者さんは極めてまれで、その多くは乾癬の治療が不十分、不適切な治療を行っていた、もしくは未治療、さらに薬剤や感染症などの影響で尋常性乾癬から乾癬性紅皮症に移行してしまうようです。

 

「膿疱性乾癬」は入院治療が必要です

膿疱性乾癬は発熱や皮膚の発赤と同時に、無菌性の膿疱(膿を持った水泡)がたくさん現れる病型で、発症頻度は非常にまれです。膿疱にはウイルスや細菌は含まれていませんので、周囲の人にうつることはありません。
膿疱性乾癬はいくつかの病型に分類され、膿疱性乾癬の皮疹が手のひら・足の裏・指先など体の一部だけに見られる「限局型」と、急な発熱・悪寒・倦怠感とともに全身の皮膚が赤くなり、膿疱が現れる「汎発性膿疱性乾癬」とに分類されます。
汎発性膿疱性乾癬は「厚生労働省難治性疾患克服研究事業」の指定難病に指定されているため、認定基準を満たすと医療費助成を受けることができます。

 

乾癬の治療は根気よく続けることが大切

乾癬にはさまざまな種類があることをおわかりいただけたと思います。
乾癬は適切な治療を行えば、症状が現れないようにコントロールすることは可能な病気です。
日常をより快適に過ごすためにも、乾癬への理解と適切な治療、生活習慣の見直しなどで乾癬と根気よく上手に付き合っていきましょう。