はつ花皮ふ科

鎌倉市の皮膚科、はつ花皮ふ科クリニック。大船駅より徒歩6分。
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コラム : ●「乾癬」 という病気をご存じですか?

Column

●「乾癬」 という病気をご存じですか?

こんにちは。
鎌倉市、東海道本線「大船駅」東口より徒歩6分のはつ花皮ふ科クリニックです。

乾癬は免疫の異常によって皮膚に発疹が起こる病気です。「かんせん」という読み方から、感染を連想する方がいらっしゃるかもしれませんが、人にうつる病気ではありません。
今回はその「乾癬」について、ぜひ正しい理解を深めていただきたいと思います。

 

「乾癬」は免疫異常が引き起こす皮膚疾患です

乾癬は、免疫の異常によって皮膚や関節に炎症が起こり、赤く盛り上がった発疹などができる皮膚疾患です。
発疹は頭皮や髪の生え際、ひじ、ひざ、お尻などに多く現われ、患者さまの約半数にかゆみを訴える方がみられます。患部では、皮膚の細胞が正常な皮膚と比べ10倍以上の速さで増殖するために、角質と表皮が厚くなっていきます。最終的に皮膚の表面は銀白色のフケ状のものに変化し、剥がれ落ちていきます。
国内の乾癬患者は約43万人といわれ、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層で発症します。

 

未だ完全に解明されない乾癬の発症原因

発症の原因についてはさまざまな研究が行われ、免疫機能の異常が関与していることがわかってきましたが、完全に解明されたわけではありません。
免疫機能は本来自分の体を守るシステムですが、乾癬の場合、このシステムが何らかの原因で異常をきたし、自分自身の皮膚の細胞を攻撃しているのです。
現在は、免疫に異常をきたしやすい体質(乾癬になりやすい体質)に、外的な要因(ケガや感染症、ストレスや食生活、乾燥など)と内的な要因(糖尿病、高脂血症、肥満など)が複雑に影響しあって発症すると考えられています。

 

乾癬の治療法は4種類

治療法は4種類あり、患者さまのその時の状態に合わせて選択します。

・外用療法(塗り薬)
炎症、皮膚細胞の増殖を抑える塗り薬を用います。

・紫外線療法
塗り薬の効果が見られない、患部が広範囲で薬を塗るのが大変な場合、患部に紫外線を照射して症状の改善を図る療法です。紫外線には免疫の過剰な働きを抑制する力があります。

・内服療法(飲み薬)
症状が比較的重い場合に行います。細胞の増殖、免疫の過剰な働き、炎症をそれぞれ抑える薬を用います。

・注射療法(乾癬生物製剤維持療法)
飲み薬や紫外線療法で症状の改善が十分得られない場合に行います。日本皮膚科学会が承認した施設でのみ治療を受けられます。当院はその該当施設になっています。

 

乾癬は症状のコントロールも可能になってきました

乾癬は慢性の病気で、良くなったり悪くなったりを繰り返しますが、治療によって症状がほとんど出ない状態(=寛解)にすることも可能になってきました。そのためには根気よく治療を継続し、症状が悪化するのはどのような時かを把握し、生活習慣を見直すことが重要です。
当院は「乾癬生物製剤維持療法」も行える医療施設として、乾癬についてさまざまなご相談に対応しております。